最近なんとなく仮想通貨マイニングを始めてみたので、その事について書いてみたいと思います。
ガッツリやっているわけではないので大した額では無いですが、現在は1日に400円程度安定してマイニング収益を得られています。電気代を差し引いてだいた1ヶ月1万円くらいってところです。
マイニング機構築の話とか、マイニングツールについて書いていきますので、興味のある方は見ていただければ幸いです。
仮想通貨マイニングとは?
マイニングについてよくわからない方のために簡単にざっくり説明すると、パソコンを使って仮想通貨の金鉱を掘って報酬をもらうことをマイニングと呼ばれています。
採掘することを英語に訳すとmining(マイニング)なので、そういうことです。
ビットコインのような仮想通貨は、中央で管理されるようなコンピュータが存在しておらず、ネットワーク上で分散管理がされています。仮想通貨の取引はそういったネットワークの中で整合性を保ちつつ管理されているのですが、整合性を保つためには膨大な計算量が必要となってきます。そのため数多くのコンピュータの計算能力が必要になります。
そういった計算処理作業に加わってお手伝いをすると報酬として仮想通貨が支払われる、それがマイニングです。
計算能力のあるパソコンさえ用意すれば誰でもこのお手伝いができるようになっているのです。
マイニング機構築!
ではマイニングには何が必要なのかというと、前述の通り、計算能力の高いパソコンが必要です。
現在はマイニングの計算処理として高性能のグラフィックボードが適していると言われているため、マイニングをしている人はのほとんどがグラフィックボードによるマイニングを行っています。CPUによるマイニングも可能ですが、効率は良いものではありません。
その影響で、グラフィックボードの高騰に繋がってしまっているというわけですね。ゲーマーの人にとってはいい迷惑ですね。
マイニングに適しているグラフィックボード
というわけでグラフィックボードが必要になるのですが、どんなグラフィックボードが必要かということになります。
計算能力と電気消費量のバランスが重要で、RTX 3090、GTX 1660 Ti、GTX 1660 SUPERあたりのグラフィックボードがおすすめです。
ただ、最近ではグラフィックボードメーカー側の対策もあって、LHR版というマイニング効率を意図的に下げたグラフィックボードが登場してきています。
新しくマイニングを始めてみようという方は知らずにLHR版を買ってしまわないよう注意しましょう。
当然ですが、多くの計算ができるグラフィックボードは性能に比例してそれなりの値段になります。
マイニング用のパソコンを組み立てる
もちろんパソコンを動作させるためにはグラフィックボードだけでなく他のパーツも必要になります。
マザーボード、CPU、メモリ、SSD or HDD、電源、PCケースもしくはフレーム、ディスプレイ、OSと言ったパーツを取り揃える必要があります。
マザーボード
グラフィックボードが装着できるPCI Expressというスロットを複数搭載しているマザーボードが必要です。
そのため、省スペースPCなどに使われるmicro ATXやmini ITXと言った規格サイズのマザーボードはスロット数が少ないため適していません。
ATX規格のマザーボードであればだいたい多くのスロットを搭載しています。
スロットさえ搭載していれば、マザーボードの性能云々はそこまで気にしなくて良いです(と思います)。
フリマサイトで数千円程度で手に入ります。
CPU、メモリ
マザーボードが決まれば、それに合わせて装着できるCPUとメモリを揃えましょう。
ここもそこまで性能は求められません。私は10年前のIntel corei5 2400(第2世代)で問題なく動作しています。
メモリも8GB程度で良いでしょう。
とりあえずマザーボードに合うCPUとメモリを装着できればそこまで気にする必要は無いです。
SSD or HDD
こちらもOSがインストールできればそこまで容量は必要とされません。HDDなら500GBで十分すぎる容量です。SSDは少し高いですが、128〜256GB程度で問題ないでしょう。
ただ、グラフィックボードのメモリ容量と同じ容量の仮想メモリを設定する必要があるので、グラフィックボードをたくさん積む予定の場合は少し余裕を持っておいた方が良いです。
僕は家に余っていた128GBのSSDを使っています。
電源
電源は少し需要なパーツです。なぜならグラフィックボードを動作させるには大量の電力が必要になり、性能によりますが、1枚につき100〜200Wくらい消費します。プラス、CPUなどグラフィックボード以外で50Wくらい消費すると考えて良いでしょう。これらを合計したワット数をまかなえる電源を用意することが必要です。ギリギリの容量だと動作が不安定になってしまうので、合計した電力量のおおよそ2倍くらいの電源を選ぶのが良いです。
また、電源にも電気変換効率という性能の差があるので、極力効率の良い電源を揃えるのが良いです。効率の悪い電源を使用すると余計な電力を消費してしまうので、常時稼働が前提のマイニングではそういった余計な電力消費を省くことも重要です。
電気変換効率にも規格があります。80PLUSという規格です。
80PLUSの規格は変換効率ごとに6つにランクが分かれています。
ランク | 変換効率 |
---|---|
STANDARD | 80% |
BRONZE | 85% |
SILVER | 88% |
GOLD | 90% |
PLATINUM | 92% |
TITANIUM | 94% |
最低でも変換効率90%のGOLD以上は欲しいところです。それ以上高いと電源も高価なものとなってしまいます。
僕は750Wの80PLUS(GOLD)を使用していますが、PCの消費電力は200W程度なのでちょっとオーバースペックでした。
その他
グラフィックボードを何枚もつけるとなると、それらを固定する器具が必要になります。通常のPCケースでは対応できないので、マイニング向けのフレームなどを用意する必要があります。
また、だいたいのマザーボードではグラフィックボードが直接挿せるPCI Express x16のスロットは2個くらいしか付いていないので、PCI Express x1のスロットを拡張するライザーカードというものが必要になります。
これを使って、マイニングしている人たちはグラフィックボード6枚とか8枚挿しのマイニングマシンを構築しているのです。
僕は今のところグラボ2枚差しの構成なので、家に転がっていたPCケースで組むことができました。今後グラボを増やすようならフレームにするなど検討が必要です。
他には、PCがどれくらい電力を消費しているか確認するワットモニターなどがあると便利です。マイニングにかかる電気代を予測したい場合は必要なアイテムになります。
OSはWindowsをインストール。モニタは映ればいいです。マウス、キーボードも使えればOK。あとインターネット接続は必須なのですが、LAN端子はマザーボードに付いているでしょう。
マイニングツール
マイニングツールはいくつかあって、有名なところで言うとNice Hashというソフトがあります。
正直他のソフトは試したことが無いので良し悪しはわかりませんが、導入は簡単で、スマホアプリでもマイニング状況がいつでも確認できるので便利です。
マイニングの開始停止もアプリで操作できます。
僕はNVIDIAのグラフィックボードでそろえているので、NiceHash QuickMinerを使用しています。
収益
収益については、冒頭に書いた通り1日だいたい400円程度で電気代差し引いて1ヶ月に1万円程度です。
ビットコインの価格にもよって変動すると思いますが、だいたい1BTC=500万円付近でこのくらいの金額です。
僕はGTX 1660 TiとGTX 1660 SUPERの2枚でマイニングを行っており、マイニングの仕事量を表すハッシュレートは平均約61MH/sくらいです。効率は0.39MH/Jなので悪くない方だと思います。(感覚的には0.4MH/J超えると優秀)
構築にかかった費用は約10万円くらいなので、収益がプラスになるまで10ヶ月くらいかかります(笑)その頃にはマイニング事情がどうなっているかは正直わかりません。気長に続けてみたいと思います。
もちろんグラフィックボードの枚数を増やせば収益も増えますが、取り付けるフレームを買ったりファンの音の問題もあるので、じっくり考えたいと思います。
メリットとデメリット
メリット
- 自動で収益が得られる
メリットはやはり一度組み立ててしまえばそれ以降は自動で収益が得られるということでしょうか。
初期費用の回収までに時間はかかりますが、それを過ぎればずっとプラスです。
デメリット
- グラフィックボードが高い
- 費用回収に時間がかかる
- ファンの音がうるさい
- 部屋が暑くなる
- 税金計算がめんどくさい
- グラフィックボードが年々劣化する
マイニングで得た収益に対して所得税がかかるので、しっかりと税金計算もしなければなりません。
24時間365日稼働し続けるため、ずっとファンの音が鳴りっぱなしです。グラフィックボードは常に60℃以上なので、軽いファンヒーターです。夏場は特に温度に気を付ける必要があります。
グラフィックボードも劣化していくので、長い間稼働し続けるとパフォーマンスは低下してきます。1年間で10%パフォーマンスが低下するなんて言われています。
まとめ
思いつきで始めたマイニングでしたが、PCを組み立てる知識が少しでもあれば始めるのは思ったより簡単でした。
苦労したのは、やはりグラフィックボードを集めるというところです。価格が高騰しているので、いかにフリマサイトなどでパーツを安く手に入れて初期コストを抑えるところが重要になりますね。
フリマサイトだと届いてから動作確認するまでは不安がつきまといますし、中には外箱のみ出品といった詐欺まがいの商品もあります。それなりの価格なので慎重に購入しましょう。